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「八重殿、日光はすぐ着くであろうが何があるか解らない。真澄の他に護衛を付ける。慎之介殿を無事に日光に連れていき帰る為にもよろしいかな?」
盛重は八重に話した。
「お任せ致します。よろしくお願い致します。あ、榊様。」
「なんでしょう。」
「これを…。榊様、お持ち下さい。」
八重は真澄に鏡の入った包みを渡した。
「どうか…どうか…お頼み申します。」
八重は三指を突き再び頭を深く下げた。
「では出発は明日にしよう。準備せねばな。」
盛重は膝を叩いた。
(この鏡は一体何なのか…このこの子に着いて行けばわかる。それに兄さんも探せるかな。)
真澄は手の中包みを見ながら思った。
ここから真澄と慎之介の旅が始まろうとしていた…
旅立ち 完
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