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「もう少し…押さえなきゃな…」
これでも押さえてきたつもりなのだが、最近少したがが外れ気味な気がする。
――俺は、響兄が好きだ。―――
……兄弟だけど…男同士だけど…響兄は俺なんか目の端にも入れてないだろうけど……!
それでも慕う気持ちはあふれてくるから。
近ごろは暴走してしまわないように制御しているつもりだった。
今日は少し……失敗したけど。
「…………はぁ……」
(無茶、だよなぁ)
もう一度息をついて、階段をのぼった。
タタタタ…ドーン!!バタッ。
「おかえり!悠ちゃん!」
タックルかよ……
「くっついたら濡れるよ。結」
と言ったけど、もうすでに手遅れだったり。
「あー!ホントだ……へへっごめんね!僕も着替えてこよーっと」
結はいたずらっぽい顔をして笑った。
いつまでたっても子供なんだから……なんてね。
「響兄が夕飯だから一緒に降りてこいって」
「うん!じゃすぐ着替えてくるー」
生まれたときから、いや、母さんのお腹にいるときからずーっと一緒だった結。結も大切な大切な兄貴なんだ。
本当は…秘密ごとなんてしたくないけど……
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