宮田さんの福引き券。

5/11
前へ
/246ページ
次へ
次の日の昼休み。 俺は久野と二人で屋上で弁当を広げていた。 昨日あの後、三人で相談した結果、四名様なんだしせっかくだから久野を誘おうということになったのだ。 「なぁ、結が福引きで三泊四日宿泊券もらってきたんだけどさ、久野、今度の連休空いてるか?」 俺は三人だけでは居たたまれないような切ない気持ちになってしまうので、できれば久野に一緒にいてほしかった。 しかし。 「あ――……悪ぃ…次の連休はちょっと用事あんだよなぁ。せっかく誘ってくれたのに、ごめんな。」 残念ながら断られてしまった。 (はぁ、結局三人か…。ちょっとキツイかな…) 明らかに俺が普段以上に落ち込んでいたため、久野が聞いてきた。 「どうしたんだ?三人だと何か不都合でもあるのか」 的を射た質問に一瞬息が詰まった。 いいかげん、久野には打ち明けるべきだろうか。 そろそろ俺自身もいっぱいいっぱいになってきている。 久野なら…たとえ何があっても受け入れてくれるだろう。 こういうときは本当に頼りになるやつなのだ。 俺は意を決して話すことにした。
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1574人が本棚に入れています
本棚に追加