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するとドアを開けて入ってきたのはなんと響兄だったのだ。
「悠……起きてたか…?」
「………?!響兄??どうしたの?こんな遅くに」
時計を見れば午前零時を廻ろうとしている。
「あぁ。ここ最近、おまえが元気なかったから……気になってな。」
「………っ」
俺は返答に詰まった。いたって普通に接しているつもりだったのだが、さすが兄。
こーゆー所は本当にずるいと思う。なんでもお見通しなのだ。
響兄はマヂですごい。気遣いはうまいしかっこいいし(モデルのスカウトなんかしょっちゅうだ)頭もよくてスポーツもできる。
わが兄ながら恐れ入る。だから当然めちゃくちゃモテる。もちろん彼女もいたのだが、最近は…いないようだ。
とそんなことを考えている間にも響兄は真剣に俺を見ている。
「な…なんでもないよ。ごめん、心配かけたみたいで。元気だから…大丈夫」
この気持ちだけはバレちゃいけない。結にも。……響兄にも。
そう思ってへらっと笑った。
うまく笑えただろう、と思ったそのとき。
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