シグナル―危険信号―

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「きりーつ、れーい」 いつもどおりの号令で授業が始まる。 科目は英語。 担当は担任の井上先生だ。 しかし、なぜか今日はいつもと雰囲気が違う。 井上が口を開く。 「なんでおれが今日、裸なのかわかるか?」 ガチで聞いてきやがった。 誰もわかるはずかない。 こんな方程式・・・・ クラスがあきらめかけた時だった。 「わかります。」 一人の勇者(負け組)が手を上げた。 「今日は、木曜だから・・・・じゃないですか?」 そう、俺の横の席のウンコマン(負け組)だった。 「・・・・素晴らしい」 模範解答だ・・・・と井上は涙していた。 しかも、涙していたのは井上だけでなくクラスメイト全員(負け組)までもが下をむいて肩を震わせ、泣いていた。 意味がわからなかった。 「おい、ウンコマン(負け組)。なんで解ってん」 「勘」 「そっ」 おれは涙した。 ついていけない。 おれはきてはいけない次元に足を踏み込んでしまったのだと、いまさら後悔した。 思えば、入学当時もなぜ皆靴下を履いていないのかと疑問になっていた。 そうだ。 あそこで止めればよかったんだ。 そして、おれは何もいわずに席を立とうとした。 しかし 「待てよ」 「なに?」 ウンコマン(負け組)だった。 「皆我慢してるんだ」 さまざな考えが頭をよぎる。 やっぱりみんなおんなじ考えだったんだ。 間違ってなかった。 そう思ったおれは(負け組)気付くと涙していた。 「ウ、ウンコマン・・・・!!」 抱き合った。 喜びなのか悲しみなのかわからないが。 ただひとつわかっているのは、井上のジュニアがフル勃起していたことだった。
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