シグナル―危険信号―

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案の定、ウンコマンは空席となっていた俺のとなりとなってしまった。 「おぃ、ウンコ。なにしてんだ」 「勉強しに来たに決まってるだろ」 今の時代は、顔は良くても勉強できなきゃモテないからな、とウンコマンはカバンから教科書を取り出した。 この男。 自分がもしかしてかっこいいと思ってるんだろうか・・・・ そんな疑問を心に浮かべたときだった。 数人の女子がウンコマンに群がりだした。 「彼女いる?」 「アド教えてよ! 「どこ高?」 う、嘘だろッ? モテモテじゃねぇか・・・・ そう落ち込んでいた矢先。俺の背後に気配が現れた。 「たかひろっ」 それはとなりのクラスの女の子の岩崎伶奈という女性だった。 「あぁ、伶奈か」 「ちょっ、あぁって」 反応薄いよぉ!!、とすねるような顔をした。 ちなみに、こいつは俺の彼女だ。 栗色の長い髪が特徴の美人いというより可愛いタイプだ。 「っていうか、あの子誰?」 ウンコみたいなやつ、とウンコマンを指差す伶奈。 「やっぱお前はわかってくれるよな?あんなやつのどこがかっこ・・・・」 「な、なかなか・・・・いけてるかも・・・・」 「え?」 耳を疑った。 コイツ今なんて? 「おい、伶奈。マジでゆってるのか? あいつのほうが俺よりいいってのか!?」 ガシッと伶奈の両肩を掴む。 「え、え?!あ、あぁ、それはないよ。さすがに。私が好きな人は・・・・」 きゃーやっぱ恥ずかしい!と1人で舞い上がる伶奈。 それを見てホッとため息をつく村田。 ともかく、このままだとウンコマンが調子に乗ってしまう。 っていうか、まずウン・コマンって聞いて、ハーフ?と勘違いするクラスもクラスだが。 そして、女子に囲まれていたウンコマンは、大声で こういった。 「ぴ!!」
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