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早く退院できると思っていた。
でも…
先生に言われたんだ。
「エコー検査、血液検査をして、心臓が弱っている、心臓がいつ止まってもおかしくないんです…」
どうしてそんな事に?なんで?急に…
涙を流しながらパパは先生に怒鳴り散らして、理由を問いただしてた。
もう消灯時間なのに、病棟中に怒鳴り声が響いたね。
ママは涙が止まらず、下を向きパパを止める事もしなかった。
こう君はきっと、それを聞いてたんだ…
次の日、4人部屋から1人部屋に移されたね。
ママは、昨日先生に言われた事が頭から離れなくて、ゲームボーイをしてるこう君の横で途方にくれてたね。
その日の夜、ママは忘れないこう君の言葉を耳にしたね。
「ママ、こう君ね、お星さまになりたくない」
ママはぎゅうと、こう君を抱き締めたね。こう君は、
「ママ~ママ~」
って泣いたね。ママも泣いたね。こう君を死なせたりしない。必ずママが守ってあげる。
大丈夫。
母親として、子供の病気に向き合ったのは、この日がはじめだったのかもしれない。
でも、きっと遅すぎたんだ…
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