1085人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
私たち夫婦がICUのこう君のベッドに行けたのは、1時間程してからだった。
こう君の姿を見て、夫婦で泣き崩れた。
「こんなに辛い思いして…」
旦那が言った。
先生からの説明はこうだった。
「心臓は5分程止まりました。脳に酸素がいかなくなると、脳に障害が残る事があります…今はまだ分からないんですが…」
なんで?こう君はさっきまでママに抱っこされて…なんで?なんで?
このままこう君の目が覚めないなんて、そんな事あってたまるか!
ママはこの日決めた。
こう君に何があっても、ママはあきらめない。
それから、3ヵ月、こう君はICUで過ごしました。
脳に障害が残り、しゃべる事などできない。体すら自分で動かせない。
でも、ママはあきらめなかった。好きだったクレヨンしんちゃんのDVDを見せ、話し掛ける事をやめなかった。
こう君は笑う事もなかった。
最初のコメントを投稿しよう!