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アニメや漫画が好きな人が集まって、自分の漫画や小説を売ったり買ったりコスプレなんかもしたりして、とても魅力的な即売会へのデビューは、その年の夏に実現しました。
その時はまだ「男の子の友情、絆って素敵だな。仲良くしてるの見るだけで、なんでこんなにほっこり幸せになれるんだろう」
そんな、ただの憧れでしかありませんでした。
はっきりと、男の子同士の恋愛に興味があるのだと確信したのは中学3年生の時です。
ある意味ブームに乗ったのかも知れないのですが、私と同年代の方は解るかな?
戦国時代の武将が怨霊となり復活して「闇戦国」と呼ばれる戦いをなんと現代に興してしまうその小説は、衝撃な出会いでした。
400年以上もの長年の片想い。
「愛してる」の一言では語り尽くせない激しい気持ちには、同時に劣等感や敗北感や憎しみも孕んでいて。
それまで読んでいた普通の男女の恋愛小説とはまるで違う。新しい考え方が私の中に生まれました。
こんなに切なくて苦しくて、呼吸困難になりそうな恋愛があるなんて!
そこから、私は男女の恋愛ストーリーでは満足出来ない腐女子になってしまったんです。
そして、ブームのお陰か全く隠れない腐女子でした。
オタクであれば、男の子でも知っている作品でしたから「この小説が好きなんだ」と言えば、割と納得してもらえる環境だったのです。
但し、社会人になって仕事場へ行く頃には、一度「足を洗った」つもりになっていました。
オタクである自分も、男同士の恋愛を好む自分も封印したんです。
現実を見て仕事をこなすのに一生懸命で、大人になったのだから、アニメや漫画やライトノベルの話ばかりしていちゃいけない気がしたんですね。
職場での私は、単なる文学少女の括りだったのだと思います。
但し、バンギャじゃなければね。
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