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「信兄ちゃんと買い物に出るのって、久しぶりだよねー」
「そうだな」
涼が、俺の気持ちを察してくれたのか。一緒に晩御飯の買い物に出ることに。
「信兄ちゃん。なんか元気ないね」
「当たり前だ。母親の劇的再婚発言だぞ。そりゃ、気持ちもなえるって」
「まあ、そうだね。でも、僕はお母さんが再婚してくれて嬉しいよ?」
それは、俺だって同じだ。
「お父さんの事?」
「ああ。あんな糞野郎みたいなのだったらと思うと、・・・・・・ついな」
「大丈夫だよ。僕たちがいるし」
「そうだな」
そうなんだけどな。
「こんな話しは、もうお終いにして。帰ろ」
「よし!とびっきり旨い料理を作ってやるか!!」
「うん!」
晩御飯を食べ終えると、母さんから「明日、九宝さんと会うことになってるの」と、これまた急な話を聞かされた。もちろん、決定事項だ。
その晩の事は、あまり覚えていない。いつ風呂に入ったのか。いつ布団に入ったのか。いつの間に寝ていたのか。いろいろありすぎて、気持ちがどうも着いていかない。
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