始まりは突然

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雨が降ると思い出します 本当は、忘れてしまいたい、あのことを… あの日も、今日みたいな夜だった 雨足が強く、叩きつけるような いつまで続くのかわからない 雨だった ドンドンドン 玄関の戸を叩く音が聞こえた 雨の音とは違う、切迫した音だ 時計を見ると、2時を回ったばかりだ こんな深夜に⁉ 怪訝に思いながらも、私は玄関に向かった 戸を開けるとそこには、一人の少女が、息を切らしながら立っていた 濡れた髪の毛をかきあげ 今夜泊めてください そう、消え入りそうな声でつぶやいた
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