苦手ないかれ女

2/2
前へ
/37ページ
次へ
その綺麗に片付けられ何も無い部屋の奥に 30半ば位か 恐怖に怯えた虚ろな眼を 天井に向け捻れた足を どうする事も出来ずに 男が横たわっている。 荒い呼吸の音だけが 静寂を破る。 幸運とはまるで円の無さそうな 野暮ったい風情だ。 一瞬冷気が よどんだ空気を切った。 男が緊張する。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加