1日目

4/5
前へ
/37ページ
次へ
305 ネームプレートに記名は無く部屋の番号だけが自己主張している。 彼女が俺に鍵を開けるように促した。 俺は黙ったまま鍵を開けた 妙に身体が重い。 俺は靴を脱ぎ捨て図々しく先に進んで行く・・・・? 突き当たりのドアを開け キッチンを抜け、奥の襖を開け放つと "彼女" がそこに居た。 彼女が俺を誘う! 彼女が居る? 警鐘が鳴りやまない! 何が起きてるんだ? 何で彼女が先に居るんだ? 俺は何してるんだ? 身体が勝手に前へ進む。 思考と行動が別々の生命体と化した今、徐々に恐怖が俺を支配する。 また彼女が俺を誘う。 「・・・・!」 彼女が笑っている! 身体中に戦慄が走った! フラフラと吸い寄せられる。 麻痺しだした俺は意識がぼやけ 混沌とした狭間の中で彼女を抱いた・・・・ 何度も何度もこの腕で・・・・ 恐怖と官能の世界は悪くなかった。 その代償は苦痛を伴うが麻薬のようにその中毒に呑まれる。 そして俺が壊れて行く・・・・ その一部始終を見つめる四つの瞳が揺れた。 「すまんが起こしてくれないか 風に当たりたい」 「貴方 ご存知ですの?」 未亡人は背中を起こし尋ねた。 「いや 知らん・・・」 「しかし いかんな・・・」 「そうですね」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加