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バーベキューが終わって、各々がくつろぎ始めた。林、正太郎に関しては、片付けを済ますと早々とロッジ内に引き上げた。そして、永井はテラスのような場所で煙草を吸っている。
白井、涌井さんは不釣り合いな装いで、テラスに二人向かい合う形で何やら話しあっていた。その様子はあまり微笑ましいものでなく、少し険悪なムードが漂っていた。
そして残りのミス研メンバーの僕、有栖、あんちゃんもテラスで一息付いていた。
あんちゃんは涼みながら遠い目をしていて、僕たちの会話に入ってこなかった。有栖との会話と言うのは、専ら推理小説だった。
いつも部室でしているような会話を延々としていた。時計にふと目をやる。バーベキューが終わったのは、だいたい十四時ぐらい。今は十五時。眠くなる時間である。
恐らく先に引き上げた二人は、すやすやと仮眠しているかもしれない。永井を見ると、眠そうに欠伸をしながら、「先あがるよ」とロッジ内に入って行く。
チラッと涌井さんと白井を見た。何の話をしているのか全くわからないが、あまり良い雰囲気じゃない。だから余計に気になる。
有栖は周りが見えておらず、あんちゃんは遠い目をしている。つまりこの状況を見ているのは『僕』だけになる。
しかし、有栖が話を振ってくるので、僕は意識を彼に向けなければいけなかった。気になる……。
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