1人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
言葉
僕が死んだ日。
その日は蒸し暑い曇り空だった。
部活に必要なものを忘れてしまい教室にとりに戻った。
廊下を小走りで進んでいく。
自分の教室への角を曲がろうとしたとき声が聞こえた。嗄揶の声だった。
『あいつマジウザくない?スッゴいキモイし。』
―あいつ?・・・誰かなぁ・・・―
盗み聞きは良くないと思ったが気になってしまいドアの少し手前で足を止めた。
『あいつ?あいつって誰?』
嗄揶の友達の声だ。
『あいつは―――だよ!』
衝撃的だった。嗄揶の言っていたウザイヤツとは僕のことだった。
血の気が引いてゆく。足が震える。
嘘だ・・・嗄揶が・・・そんなことを言うはずが・・・
しかし次に聞こえてきた言葉で私の死は決まった。
『あいつさー・・・金魚のフンみたいにいっつもくっついてくるからウザイんだよね・・・いなくなってくんないかなぁ・・・』
大好きな友達に言われたこの台詞。
最初のコメントを投稿しよう!