蜂起(悪魔の4月事件)

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「偵察衛星も見逃したこの大兵力はいったい何処に潜んでいたのだ、まさか湧いてでた訳ではあるまい? 」 「いえ!正に湧いてでたという言葉が一番適当かもしれません。彼らは蟻が巣から這い出す用に突然アフガンの山岳地帯とヴェトナムの密林から、出現したのです。おそらく地底にかなり大規模な要塞を構築していたと思われます。 現在、当該地区の防衛には、アフガン警戒区に中東方面第15師団と16師団、それにパキスタン第104混成山岳旅団、に加えアルカイダ義勇軍合わせて約5万2千の兵力とインド第8空軍が集結し攻撃準備体勢が整っています。こちらはほぼ万全の体勢と言って良いでしょう」 「問題は極東特区の方ですが、極東方面軍、第11歩兵師団約2万人と第5機甲師団、第18航空団でかなり手薄です、頼みの綱の中国新人民開放軍は、中国全土の主要都市部の反乱が凄まじくその鎮圧に手一杯の状況です」 「いま敵に攻撃を受ければヴェトナムはひとたまりもありません、サイゴンは一週間保たず陥落でしょう」 「ヴェトナムが落ちれば敵はそこを橋頭堡とし、地下要塞で更に兵力を増強し東アジア全土に進撃して来るのは、明白です」 「ホーチミンルートを徹底封鎖して補給を絶つ作戦に出ては?」 「書記長、敵の補給線は地上にはありません全て地下資源により、物資、エネルギーを合成し賄っているのです。」 「馬鹿な!土から、戦車やミサイルを作ったというのか」
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