2人が本棚に入れています
本棚に追加
ここは…どこ…??
うっすら見える世界は灰色だった。
20センチ四方の窓から真っ直ぐに光が差している。
…痛い…
まだ幼い容姿の少女には不釣り合いな重々しい枷は彼女の手足を締め付け、離さない。
そして、体の傷がそれまでのいきさつを物語る。
…お母さん…?
…お父さん…?
狭い部屋には彼女以外の影はない。
そこで、少女は自らに起こった事を思い出す。
…私……
断片的に蘇る映像が彼女を悲しみへと追いやっていく。
父と母は自分を護る為に体を張った。
最後の記憶は、大勢の人間に囲まれ立ちすくむ自分。
そして、足元には愛していた二人の亡骸。
何故こんな結末になったのか、彼女には理解出来ない。
しかし、ただ一つ心当たりがあった。
それは、少女に真っ白な翼があること。
しかし、今は血液により部分的に紅く染まっていた。
最初のコメントを投稿しよう!