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天使の私を愛してくれる??
少女は人間から聞く労りの言葉に耳を疑った。
この男が天使に差別意識を持たないことはもう解っていたのに、それでも信じられなかった。
「なら…私は…これからも…生きていていいの??生きる意味は…あるの?」
「当たり前だ。私がお嬢さんに生きていて欲しい…そんな理由では駄目かね??」
天使の誇りなんて本当はどうでもよかった。
自分はこう言われるのを待っていたのかも知れない。
傷の痛みはあるけれども、今は安らぎすら感じられた。
必要とされる事は生きる意味でもあるという事。
それがどんなに支えになったか、救いになったか、少女の目から流れる一筋の涙が示していた。
それは先程までの激情のものとは違う、安らぎの涙である。
「まぁ、やる事は山積みだがな」
男が困ったような微笑みを見せると、安心感からか、そのまま少女の意識は遠のいていった。
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