出れない…

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「どうかな?行けそう?」 母が優しく声を掛ける。 私は制服に着替えて、重い学生鞄を手にとった。 胃液が込み上げて来る。 だめだ… ブラウスからシュルリとネクタイを外して、机に両手をついた。 「お母さん、ゴメン。無理。」 母の顔が見られない… 「そっか、うん、無理しなくていいよ。」 わざとらしいくらいの明るさで母は"引きこもり"の子供に教科書どおりの言葉をかけた。 ああ今日で何日目かなぁ…せっかく受かった高校も夏服に変わる頃には退学かも。 こんなはずじゃなかった。
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