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数十分が経ち、羽がすっかり抜け落ちてしまうと、サクヤは気を失ってその場に倒れこんだ。
その日の夕方、サクヤが意識を取り戻した。
痛みはもうすっかり消えている様で、起きてきてご飯を食べている。といっても、相変わらずりんごとミルクだったのだが。
それ以来、別段変わったことも起こらずに僕らは何時の間にか、また普通の生活に戻っていった。羽がなくなったサクヤはもうどこから見ても人間の少年だけど。
でも、僕は信じている。
彼は天から地上に使わされた天使だったのだと。
月日は流れ、もうすぐサクヤと暮らし始めて二ヵ月が経つ。きっとこれからも、いろんな事が起こるかもしれない。
だけどそれが、僕にはすごく楽しみで仕方がなかった。
季節は、もうすぐバレンタイン。
THE END
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