未熟な力 大きすぎる力

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『――聖杯の基盤を作り出した!?』 聖杯の基盤という厄災を作り出し、この殺し合いを作り出した一族の子孫。 そして、こんな子供までも参加をするというのか。 『マスター、下がってください!』 俺が思考中に、脇から鉄の風が駆け抜ける。 その駆け抜けた先には 白い少女が立っていた 『まて!セイバー!』 しかし、そんな静止の言葉を聞かないセイバーが切りつける!…が 『■■■■■■―!』 灰色の巨人が叫び、その手に持つ岩塊で薙払う! その行為はまるで剣を防ぐのではなく、邪魔者共々吹き飛ばす行為! 『―避けろ! あれは避けられない。 あんなもの食らったら肉塊に―!そもそも肉片すら残るかすら疑わしい!   ―セイバー!』 『―くっ!』 士郎の呼び声に助けられる。その一撃を避けるセイバー。が自体はそんなに甘くなく、巨人の岩塊は往復してセイバーに再び迫る! 目の前が真っ白になる あれは今から呼びかけても遅すぎる。 セイバーはあのまま… ――我に神の加護を セイバーの口から言葉が発せられる。 そしてそのまま 『――ハァァアア!』 そのまま片手を岩塊に掲げ 『――なっ!!!』 その驚きの声は誰から発せられたのだろうか それは衛宮士郎自身であり 遠坂凛自身でもあり ましてやアーチャー自身でもあり ――そしてバーサーカーのマスターからも発せられた驚愕の声であった。 何を隠そう。今、目の前で信じられない光景を見ているからだ。 信じられないことにセイバーは 素手で岩塊を防ぎきっていた! その副作用により、周りに強い、逃がしきれなかった衝撃が、暴風となって吹き荒れる。 そして、セイバーの口から言葉が告げられる "――我に大いなる慈悲を――" そして真名を告げる ―ラ・ピュセル《慈悲深き神の導き》 その瞬間、セイバーに暴風とは別に強いエーテル風が覆われる。 『――フランスの英雄、聖女ジャンヌダルクか!』 ―ジャンヌダルク。 それは、かつてフランスを勝利へと導いたと言われる少女。最後には悲劇の最後を遂げたと言われるあの― 『―セイバーが…ジャンヌダルク…』 正直、驚きを隠せない。あんな少女が…その… 小さな体で 激動の時代で戦っていたということに
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