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さて状況を整理しようか
今、俺の前で泣いている甲冑の少女。さっきまでの凛々しさは消え失せ、本来である相応の少女となった。
うん。それはいい。
――しかしな
なんで泣かれにゃあかん!
俺が何をした!親父、俺はどうすれは……!!
『だ、大丈夫だから!もうさっきの怖い奴はもう逃げたから!泣かなくてもいいんだ!』
と言うが、いっこうに泣きやむ気配はない――が
『……で』
玄関先に人の気配。新手か!と思ったが…
『…英霊を泣かして何してんのよ。―――衛宮君』
『と、遠坂!な、なんでこんな所に!!』
月明かりが、一人の少女を写し出す。二つに束ねた長い髪。透き通るような肌。そして少女の全体をを象徴とする紅のコート。
『どうゆうことだか説明して貰おうかしら、衛宮君』
『えぐっ…えく…―え?』
泣き止む少女。何かに気付いたのか、泣いている状況ではないようだ、と甲冑の少女は気付く。
『ま、マスター!離れてください!』
疾走する鉄の少女。一気に紅の少女に襲いかかる。そして振り被る黄金の剣。それを遠坂に目がけて振り下ろされた!!
『ま、待て!』
『え!え!ちょっと!!』そして、遠坂は両断―――されず、振りおとされた剣は途中でとまった。いや―止められた。
『――くっ、やはり!』
『…ふう、助かるアーチャー』
甲冑の少女の前に、赤い服装の男性が現れる。その手には黒い短刀が握られていた。直径六十~七十センチくらいだろうか。その短刀によって、甲冑の少女の攻撃は塞がれた。その姿を見て俺は安堵の息を吐いた。
――ふう――
―さて―
―本筋に入りましょうか―
―衛宮君―
と、遠坂が言う
『とりあえず、衛宮君。剣を下げさせてくれないかしら。それ以上そのままで居られたら切り伏せる以外に無いもの。あ、ちなみに戦う気も無いわよ、私達。』
そんな事をニコニコしながら言う。
―ありゃ―
―絶対怒ってる。しかもだ、これは予想だが違う何かにすんごく怒ってる。さらに今その堪忍袋の緒が切れそうなくらいに。
こりゃ従った方ががいいな。マジで。何をされるかわからん。
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