侵蝕され始める日常

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しかしなんで《剣を下げさせろ》なんて俺が言わなければならないんだろうか…。 まあ…大人しく今は遠坂に従おう 『……剣を下ろしてくれないか。頼む』 ちらりと、先程泣き腫らした目でこちらを観る。 『…マ、マスターが仰るのでしたら』 とあっさりと下ろしてくれた。 『…ありがとう』 『いえ、マスターに従ったまでです』 『それじゃ、落ち着いたことだし、家の中に入りましょうか』 と、いきなり遠坂がとんでもないことを言い出した。 『……え?』 『え?じゃないわよ。ここで立ち話なんて冗談じゃないわ。貴方には色々とはなさないといけない事があるんだから。』 それじゃアーチャーお茶の用意お願い、と勝手に話を進める。赤い二人は許可もなく、いや何も俺は言えずに赤い二人を観ているしかなかった 『『……』』 そして寒空の下に残される二人。どうしようか、と思ったが 『あ、あのマスター?』 と甲冑を着た少女から切り出して来た。 『さ、先程はすいませんでした。そ、その…いきなり取り乱したりして…』 『え、、いやそれはいいんだが、君の言うマスターって言うのは一体…』 『えと…質問を質問で返してすいませんが、聖杯戦争てご存知ですか?』いや…と士郎は首を横に振る。確かに衛宮士郎はモグリの魔術士である、いや魔術使いである衛宮士郎には知りもしないことだろう。 『やはりそうでしたか…まぁ…それは仕方ないです。それならばあの魔術士の言う通りに話をしてもらう方が良いかもしれませんね』 正直、少しふの落ちない部分がある。今は少女は何を言ったのか。 それは彼女を《魔術士》と言った事だ。 『遠坂が――魔術士だって?』 『はい、気付きませんでしたか?』 と、いとも簡単に言ってくれる。 『ちょっとあんた達、さっきの話を聞いてた?早く入って来なさいよ。』 と、赤い悪魔がこちらを呼んでいる。 『あ、彼女が呼んでいるので中に入りましょう。後、それと…』 そして最後に少女は外でこう言った。 『私のことは《セイバー》と呼んでください』 そしてその言葉を噛みしめながら、俺達二人は屋敷へと入っていった。 その日から、忘れらる事の出来ない、非日常の世界へとまぬかれる事となった。
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