侵蝕され始める日常

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interlude in 1―1 《ある男の心中》 やはり、俺は遠坂に召喚されたのか。 時の螺旋から外れたといっても、運命は変わらないようだ―――が、今回は、いや今の私の聖杯戦争は違うようだ。 ――あの女は一体誰だ。 奴の家でみたセイバーのサーヴァントは私が出会ったのとは明らかに違う。私の時にはかつて。未来に復活すると言われる《□ーサ□》だった。 この時代は、私の知る限り出会うことのなかった運命 ――さて、衛宮 士郎よ。今回のお前は何を見せてくれる。私では出来なかったことを成し遂げるか、それともその理想に溺れ死ぬか。 さぁ―― 貴様の活路を見い出してみよ interlude out ■■■■■■■■■■■ 『じゃ揃った所で話をしましょうか』 アーチャーが入れた紅茶をすすりながら話が始まる。 …余談だが紅茶がとんでもなく美味い。こりゃ後からアーチャーから聞き出さねば。 ―聖杯戦争 それは七人の魔術士がサーヴァント(使い魔)を召喚し最後の一人になるまで行う殺し合い。いや―これほどまでに激しいのだ。戦争と言ってもさしさわりのないことだ。得た者にはどんな願いも叶えることができる召喚されたサーヴァントにはクラスが付属される バランスに優れたセイバー 遠距離戦に秀でたアーチャー 敏捷に優れしランサー 特殊な技能に優れたライダー 魔術による行使を得意とするキャスター 暗殺、気配を隠すなどの隠密行動に特化したアサシン そして理性を代償に力を手に入れしバーサーカー これに該当する者が聖杯により原世に召喚される。 『―とおおまかに説明したけどわかった?』 と、ことも無し気に説明が終わる。 『な、なんとなく。』 と自信の無さそうな言葉。 『まぁ、いやでも分かってくるかな。自分自身を狙われるんだから』 と、そんないやな事をサラッと言う。 『そんなことより、ねぇ衛宮君』 と鋭い眼孔でこちらを見据えてくる。意識を魔術士にスイッチを切り替えたんだろう。 『なんだ遠坂』 『―あなたに、私個人で言いたい事があるの。いいかしら』 『あ、ああ…いいけど。どうしたんだ?改まって』 『―ええ、先に許しをもらってないとね。じゃ言うわよ』 すう…… 瞬間耳が弾けた
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