memories_1

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  メレイサの街中を二人は小走りで進む。 勿論、今度は子供として常識的速度だ。     城―もとい学院は街の中央にでかでかと構えられているため、別段一人でも迷うことはないのだが…   重度の方向音痴であるミレを心配して、アリシアもついてきたのだ。     現在時刻は午前9時。 さすが大きな街だけあって、朝といえども人で賑わう。   その中を並んで走る金髪と銀髪は、嫌でも人目をひきつけていた。     「お!おはようアリシアちゃん! 今日は彼氏も一緒かい!」   様々な種類の野菜が並べられた店頭に立つ恰幅のいいオバサンが大きな声でアリシアに話しかける。   「弟ですよ!弟っ!」   「…どちらも違う。」   「ははっ!ほら、仲良くわけなっ!」   慌てて否定するアリシアと、不服そうに呟くミレ。   おばさんはにこやかに笑うと、走るアリシアに向かって店頭に並べてあった果物を一つポンと投げた。   それをパシッと受け取り、アリシアも満面の笑顔で言う。   「ありがと!おばさま!」   「気をつけていっといで~!」     おばさんは手を挙げ、二人を見送った。     その後も走る道沿いに店を構えた人々から、アリシアは声をかけられまくっていた。   「アリシアちゃん、おはよう!今日も元気だね!」   「おはようございます!おじさま!」   入学して一年、どうやらこれが彼女の日常らしい。    
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