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―ズザァッ―
投げ飛されたアリシアは体勢を立て直して着地する。
そして再び、今度はまっすぐとシャノンに向かっていった。
シャノンの頭上より少し高く飛び上がったミレは、そのまま真下に向かって棒による突きを繰り出す。
それはシャノンに半身ずらしで回避され、地面に小さな傷をつけた。
シャノンすぐさまその棒を足で横に払う。
攻撃に体重を乗せていたミレは体勢が崩れるが、うまく体をひねって足をシャノンの頭上に降り下ろす。
―バシッ!―
シャノンは待ってましたとばかりにその足を受け止めると、そのまま勢いに任せて振り回し、ミレを地面に叩き付けた。
―ドォン!!―
「…ッ。」
背中に走る痛みにミレが僅かに顔をしかめる。
その時、シャノンは背後に接近する攻撃の気配を感じた。
だがそちらを向くことなく、棒を体の後ろに回すと同時に蹴りを横に放つ。
―カァン!―
背後で響く渇いた音。
「…カハッ」
そして蹴り足は見事にアリシアの腹に突き刺さっていた。
棒はただ投げ付けただけのフェイク。
そちらとミレに注意がいった隙の攻撃を狙っていたのだが、あっさりと看破されたようだ。
苦しそうに膝をつくアリシアと、棒の先を突き付けられて動きを止められたミレ。
「まずはアタシの勝ちだな。」
シャノンは"ふふんっ"と気分良さそうに笑った。
「いっ…たいなぁ…」
「…次だ。」
「お?まだやるか?
よっしゃ、こいこい!」
その後、闘争心に火が付いたミレとアリシアは完全に日が暮れるまでシャノンに向かっていった。
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