memories_1

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  …2週間後。     ―魔法学院・大講堂―   「…より、人々の繁栄のため魔法を…」   300人ほどの灰色のローブを纏った少年少女が並ぶ講堂内。 その前方、かなり高くなった壇上で白髪の老婆が演説のように話をしている。   そんな中に、眠たそうに頭を揺らすミレとどこか嬉しそうなアリシアはいた。   ミレは無事特待生枠で試験を突破。 晴れて今年から学院の生徒となる。     そういうわけで、本日は魔法学院初等科の入学式兼始業式。   学院はその在籍期間において初等科・中等科・高等科に別れていて、 最初の三年(12歳~14歳)が初等科 次の二年(15歳~16歳)が中等科 最後の二年(17歳~18歳)が高等科である。   大講堂に集まっているのは、初等科三学年が各100人づつ。 皆まだ顔立ちは幼く、初々しい。       … 「以上を持ちまして第113期学院生入学式、及び始業式を終了します。」   ほどなくして式は終了した。   白髪の老婆は要点をかいつまんで話していったようで、あまり時間は経っていない。   年輩の者の話としては珍しいほうだ。     その後、新入生達は全員ひとつの教室へと移された。   まずはここで学院についてのガイダンスがあるようだ。   初等科では魔法の基礎を学ぶため、全員が同じ講義を受ける。 つまり、この100人でひとクラス。 同期の学友であり、ライバルとなる。   ザワザワと雑談する声が行き交う教室内。 緊張した面持ちで周りを見回す者。 既に数人の取り巻きを連れている者。 ひとり頭を垂れ、読書に耽る者。 まさに十人十色、様々である。     ―ゴォーン…ゴォーン…―   始まりの鐘が鳴る。   「よし、それじゃ適当に席について~。」   それと同時に教室に入った、教員用のローブを纏った男が言った。     ざわめきは消え、各々席についた生徒達は前方の教員に視線を送る。   「それでは簡単なとこから説明しようか。」     それぞれが抱く、期待と不安。 そして未来への夢―   学院生活が始まる。
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