383人が本棚に入れています
本棚に追加
「シスター、お待た…せ…?」
ミレに遅れること数秒。
片付けを終えたアリシアが二人のいる部屋に到着した。
だがドアを開けた瞬間に体は固まり、その目はただ一点を見据えている。
「なんでもう食べてるの!?」
その視線の先には、自分を差し置いて朝食を摂るミレとシャノンの姿があった。
「あぁ、ミレが腹減ったらしくてなぁ。
座った途端食べ出しちまったから、アタシもつい。」
―もぐもぐ…―
ヨッと手をあげて軽い挨拶をするシャノンと、無言で咀嚼するミレ。
「アンタはほんのちょっとも待てんのかァァァァ!!」
やはりそれが逆鱗に触れたらしく、アリシアは一気に距離をつめるとミレの頭めがけて全力の回し蹴りを放った。
―ヒュンッ―
ミレが頭を下げてそれを躱すと、蹴り足は見事に空を切る。
口の中にあったものをゴクンと飲み込んだミレは、アリシアを呆れた表情で見つめた。
「シア、食事中は大人しくしてくれないか。」
「アンタは一度手を止めろぉぉぉ!!」
その後暴れるアリシアをなんとかシャノンが宥め、数分後ようやく三人が席についての朝食が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!