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坂本は悩みを忘れたかった。
将来を考えなくていい時間が欲しかったのだ。
だが家に帰っても、学校に行っても…
将来の話に満ち溢れている。
唯一そんな話をしない空間。
それはバイトの間だけだった。
そのバイトの時間中の坂本にとっての癒やし。
それはノー天気男梅垣のバカ話だ。
梅垣は坂本の将来に興味のかけらもない。
あるのは坂本のイタリア留学中の話や、その他趣味だけだった。
坂本はもう少し興味を持って欲しい気もしていたが、今梅垣にまで将来の話はされたくないから、今の梅垣のポジションには満足していた。
梅垣にストレスのガス抜きをして貰って学校や家へ…
これが坂本の日課となりつつあった。
しかし…
そんな空間はある男の出現でぶち壊されたのだった。
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