坂本の憂鬱

6/6
前へ
/32ページ
次へ
坂本は悩みを忘れたかった。 将来を考えなくていい時間が欲しかったのだ。 だが家に帰っても、学校に行っても… 将来の話に満ち溢れている。 唯一そんな話をしない空間。 それはバイトの間だけだった。 そのバイトの時間中の坂本にとっての癒やし。 それはノー天気男梅垣のバカ話だ。 梅垣は坂本の将来に興味のかけらもない。 あるのは坂本のイタリア留学中の話や、その他趣味だけだった。 坂本はもう少し興味を持って欲しい気もしていたが、今梅垣にまで将来の話はされたくないから、今の梅垣のポジションには満足していた。 梅垣にストレスのガス抜きをして貰って学校や家へ… これが坂本の日課となりつつあった。 しかし… そんな空間はある男の出現でぶち壊されたのだった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加