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スーパー勤めのバイト野郎の朝は早い。
特に早朝バイトの梅垣、松井、池田の3人は朝7時からという早起きだ。
時期はまだ寒い2月後半。
当然早朝出勤の3人にはつらい。
しかも梅垣に至っては担当が冷凍食品の陳列なので体が暖まる暇もない。
『う~~…寒い』
梅垣はこの日も震えながら品出しをしていた。
彼は身長170で体重70と体格のいい男である。
『辛そうですな』
震えながら仕事する梅垣に声を掛ける身長173で体重52とヒョロいメガネのインテリ風男…松井であった。
彼の担当は比較的楽な餃子などのチルドコーナーである。
『オマエはいいよな…楽でよ』
『まあな』
『今日多いし終わったなら手伝ってくれや』
『わっかりました。…でもその前に自分に見せたいモノあるんですわ』
『何や?』
梅垣は興味を示した。
『実は今日から新しいバイトが加工部門に入ったんですわ』
松井は目を輝かせた。
『へぇ~』
梅垣には大して興味のない話であった。
『へぇ~…って自分いいんですか?』
『何が?』
『加工に入ったのは今短大行ってる18歳のピチピチギャルなんですわ』
『ピチピチギャルって…』
松井はたびたび死語を口にする。
『ちなみにその子なかなかかわいいんですわ』
『マジか!?』
梅垣の目が輝いた。
『アレはかなりの上玉ですわ…』
『じゃあ行くしかないな』
梅垣はそう言い残すと松井を置いて加工売り場へと走って行ったのであった。
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