第2章 ナルテイヤの森

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テッドは地面に倒れた。 「テッド!」 思わずデンタは駆け寄った。 「大丈夫か?」 テッドは目を開き、デンタを見た。 「ふふっ。デンタは凄いな…。たった3日修業しただけなのに…」 「いや、お前の技も凄かったぜ」 テッドはフウッと息をついた。 「ありがとう…でも今回は僕の負けだね…」 それはデンタの初バトルにして、初勝利の瞬間だった。 次の日、二人はナルテイヤの森の外にいた。 「この道をまっすぐ行くと砂漠があります。その砂漠の中にウエレストって町があるので、次はそこに行ってみるといいですよ」 テッドが指を指しながら言った。 「砂漠かぁ…」 山に囲まれたマウン村で育ったデンタにしてみたら砂漠はまさに未知の世界だった。 「大丈夫ですよ。砂漠といってもそんなに広くありません。このナルテイヤの森に比べたら狭いし、木が生えてませんから視界を邪魔するものもありませんから」 デンタはナルテイヤの森を見た。このバカデカイ森が狭くなっても、デンタにとってはまだまだ広いの類に入っている。 「ハァ~…」 デンタはため息をついた。 「ほらほら。ストーンマスターを目指す人が砂漠ぐらいでくじけちゃダメでしょ」 テッドはそう言ってデンタの肩をたたいた。 「ああ、そうだな。こんなんじゃ、ストーンマスターにはなれないな」 デンタはテッドを見た。 自分の最初のライバルを見た。 「それじゃあな」 「はい、また会いましょう。お元気で」 デンタは自分の最初のライバルであるテッドに別れを告げ、歩き始めた。
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