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「あ…暑い…」
デンタは汗だくになりながらウエレストを目指していた。
マウン村の山を駆け回っていたデンタなだけに、体力には自信があったのだが、砂漠の強烈な太陽はジリジリとデンタの体力を奪っていく。
「も…もうダメだぁ~」
デンタはヘロヘロと砂漠に腰をつき、持っていた水筒のふたを開けて中に入っている水を飲もうとした。
「…!?」
なんとこんな時に水筒からは数滴の水しか出てこなかった。
「あ、そっか…」
デンタはさっき自分が水筒の水を全部飲んだのを思い出した。
「あ~…やべーな、こりゃ…。」
そう言うと、デンタは砂漠に倒れこんでしまった。
「死人はっけーん!」
デンタが倒れてしばらくすると、どこからか女の人の声が聞こえた。
(まだ死んでねーぞ…)
まだ意識のあったデンタはそう思ったが、声に出してつっこむ元気は無かった。
ジャバー!
いきなり何の前触れも無しにデンタに大量の水がかけられた。
「!?」
それはデンタの体力を復活させると同時にデンタにイラつきをもたらした。
「何すんだ! このやろー!」
「え~。せっかく助けてあげたのに、そんな言葉が返ってくるの?」
そこには水色の巫女服で身を包んでいる女の人が立っていた。
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