プロローグ ~旅立ち~

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そして14年前、私は10歳の誕生日を迎えた。 海パンにビッグパナッシュヘッドギアという奇怪な格好をしたお兄ちゃんが私のために誕生日ケーキを作ってくれて、お姉ちゃんは私の好きなニジマスを釣ってきてくれた。二番目のお姉ちゃんがそれを料理して、一番上のお兄ちゃんがわざわざイリア大陸まで狩りに行き、Tボーンステーキの材料を持ってきてくれていた。とても楽しいパーティだった。あの時のことは絶対に忘れられない。 その次の日、『セントラクター』という場所にやってきた。ここで私はエリンの世界に旅立つ。一度訪れてしまうとなかなか帰ることができないという、エリン。私は家族にお別れを言い、期待と不安で胸が張り裂けそうになりながら――エリンへ通じる光の扉をくぐっていった。
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