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十六歳の誕生日。
季節は冬。
よくも悪くもその日を境に俺の人生は多少なりとも変化の兆しを見せてくれた。
まず一つとして、これは誕生日前のとある秋の事。
両親と妹が、事故により死んだ。
あっけない死に方だった。
酒を飲み、十一月の海に飛び込んだんだ。
親父とお袋は下着姿で死亡後二日目に見つかったが、水を多量に死体が含んだとかで見る影もなくブヨブヨになっていた。
不謹慎かもしれないが、お袋と親父の死体とご対面したとき
「うわっクッせー!一週間放置して腐ったゆで卵みたいに臭いと思いませんか!?」
と真面目に驚き、検察官と警察官を困らせ白い眼で見られた。
そういう処理は既にやっていると聞いていたので、てっきりシャネルの香水でも振りかけてんのかと馬鹿丸出しな考えを張り巡らせていた俺は見事に期待を裏切られたわけだ。
まあ香水はなくとも、防臭処理ぐらいは済ませてあるだろうとたかをくくっていたのだが、どうやら死体を引き揚げてすぐの状態だったらしい。
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