エピローグ

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 そこまで自分の事を吸血鬼と言い張る杏。  どこまで本気なのか。 「阿賀佐・・・・・ちょっと貰うね」  寒空の下、お賽銭箱の上。俺に寄りかかりながらそう言うと、杏は遠慮なく俺の左手首にかみついた。嫌な痛みが背筋を通る。  これが好血症の症状だ。  皮膚が割かれ、染み出す少量の血液を杏が舐めるようにすすり飲む。  あ………舌の動きがなんかエロい。 「なんかエロいな」  ついつい言葉にも出してしまった俺は、左手首に激痛が走ることとなる。  全く手加減というもの………いやこれ以上考えないようにしよう。また口から言葉がこぼれて、左手首がいたくなるのは勘弁だからな。  自分と杏の関係を吸血鬼とハンターと言っておきながらこの事態は少々情けないかもしれない。いや、正直情けないな。  まあまだ満月にはなっていないからいいのだ。  俺がハンターとなるのは満月。吸血鬼の活発になる時。狼ではなく狼男が襲撃してくる日だ。  俺はハンターとなって狼男と吸血鬼から人類を守るヒーローになる。
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