苦しむ母親

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保健の先生は、なるべく私につきっきりで居てくれた。勉強はしようがないから、他から遅れを取りゆっくりしていた。 保健の先生が私の顔を見て「先生来年に結婚するけど、かなちゃん(私の下の名前)が卒業まで、こうするからね」 私は明るいお調子者だったがイジメにて口数少なくなり先生に「先生辞めるん?」…保健の先生は優しい笑顔で希望に満ちた(今思えば)表情で、こう言った。 「私結婚して子供生まれたら かな て名前付けたいねん。かなちゃんと同じ名前やで」 …え?なんで私の名前を子供に付けるの?イジメられて嫌われて学校来たり来なかったりやのに! …先生には何を言っていいか分からなく頭の中で、びっくりしていた。 本当に私と同じ名前付けたか私を気の毒に思っての言葉かは真相は分からないが、どうしてあんなに優しく出来るのか。先生は私を大好きだと付け加えてくれた。 今更ながらイジメの裏には様々な形の優しさを受けていた。イジメられてなかったら、あの様々な形の励まし、優しさがなかったら私は以降かなりヒネクレ、不良になるとかイジメる側にいたかも知れない。 人付き合いが下手にはなってしまったが かけがえのないモノを貰っていたには違いない。
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