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お前がやっといて、大丈夫かとはなんなんだよ…とは思いつつも、恐怖のほうが勝っていて私は何も言えなかった。
Sは「どうしたら許してくれる?」と許しを乞うた。どうしたらって…これはどう考えてももう終わりじゃないのか?こんなふしだらな私なんかとっとと追い出して忘れろ!そう思っていると、Sはフラフラと立ち上がり、
「俺も同じ痛みを…」
と言いながら、壁に自分の頭を何度も打ちつけたではないか。だんだん半狂乱になり、「あああああぁ!」と叫びながら四つん這いになり、フローリングの床にも頭を打ちつけていた。
私は暫く呆然とその様子を見ていたが、そのうちSの額から血が出てきたので、「もうやめて!」と言って体を押さえつけた。Sはずっと泣いていた。
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