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その後、隙をみて逃げ出し、無事に家に帰ることができた。本命の彼氏には申し訳なくて戻れるはずもなく、別の男と付き合い、Sの事は次第に忘れていった。
ある日、新しい彼氏と川沿いのベンチに座って話をしていると、Sから電話があった。Sは大学を卒業し、地元の会社に就職していた。私が他の男といるとわかるとSは声を荒げ
「何で他の男と付き合ってるんだ!」
と言った。奴の中ではまだ終わっていなかったらしい。
私が「もう二度と電話かけてこないで」と言うと、
「買ってやったバングル返せ」
とのたまった。
彼が、貸してみ、と言い私から携帯を取り、立ち上がってSとなにやら罵りあっていた。彼は、今は自分が付き合っているという優越感からか、鼻で笑っている感じだった。私はそれを面白いと思いながら見ていた。
彼は勇ましくとどめの一言を言い放ち、電話を切った。そして、「もう大丈夫だよ」と言ってまた私の隣に座った。
数分後、Sからメールが届いた。
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