ERASER

始業

長くなってしまったが、そんなこんなで体操部に入った私たちは、中学３年間ほとんど休まず部活に参加し、先輩とも仲良くなった。

ともかく愛と同じクラスになるのは今回が初めてだ。

『ちょっと!!咲季ｯ!!目が遠くなってる!!』

『あぁ、ハイハイ。で?』

『もぅ～Ｃ組の話でしょ。本当恐い人集まったよね。』

『そぅなの??』

『咲季知らないの?中学の時から有名な人勢揃いだよ～』

『へぇ～例えば?』

私が尋ねると、愛は座席から身を乗り出すように言った。

『会沢有希に、加賀美満でしょー。あと極め付けが…‥』

『『横田由衣!!』』

エリと愛が声を合わせていった。

『ちょっと!!エリ!!おっきな声出して、聞こえちゃったらどうするの!!』

愛はＣ組の座席の方を振り返った。

『大丈夫だよ。まだ３５分だし、こんな余裕持って来てるわけないじゃん。』

エリの言う通りだ。
さっき名前の出た３人はもちろん、そもそもＣ組の座席にはあまり人がいない。