始業

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C組の話題で盛り上がっているうちに50分になった。 『生徒は全員自分の座席に着きなさい。先生方は出欠確認をお願いします。』 舞台上、左端から教頭の三上先生が言った。 私たちはそれぞれ着席した。 それからすぐに今年度2年A組の担任となった北村典子先生が来て、出席をとり始めた。A組は43名。先生は通路を歩きながら座席を確認している。 『あら??滝口さんはまだ来てないの?』 『来てませーん。』 近くに座っている生徒が答えた。 『開始までに間に合うかしら…‥』 『滝チャンいつもギリギリだからねぇ~』 『ねぇ~休みはしないだろうけど、多分間に合わないよね~』 滝口はづきは遅刻常習犯。中学の時からその遅刻グセは直らない。中2・3で同じクラスだった。滝ちゃんと呼ばれている。 そんなやりとりが行われている中、下手側扉が勢い良く開かれた。 『間に合ったーッ??!!』 まぁこの状況で登場するのは滝ちゃんしかいない訳で、皆一気に扉の方を向いた。 『セーフだょ~!!』 『そんなに大声出して、式始まってたらどうする気~?!』 皆笑いながら口々に言った。 『新学期早々、もう少し余裕を持って行動しなさい。滝口さん。』 『はーい。で…‥うちの席どこですか?』 『滝ちゃん、こっちこっち!!』 そう呼ばれ、滝ちゃんは自分の座席に着いた。 愛されキャラというのか、滝ちゃんは昔から人気者だ。
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