ERASER

始業

小体育室の中はフェンスで区切られていて、向かって右側は太極拳部、左側では体操部が活動していた。

さっきの子は体操部の見学らしく、左の隅に座っていた。私たちが扉の前で戸惑っているのを見ると、手招きした。

それを見た私たちは、彼女の隣まで行き、一緒に座った。

しばらくその状態で体操部の活動を見学していると、部活をしていた先輩が声をかけてきた。

『新入生だよね?!体操部に興味あるの??』

私が答えに困っていると、

『入部希望ですｯ!!』

大きな声で、さっきの子が答えた。

『本当??良かったぁ。今年入部者少なそうだったから、心配してたの。ゆっくり見学していってね。』

先輩は笑顔を見せると、手を振って活動に戻った。