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辺りがガヤガヤし始め、口々に話し始める。
『どうしよっか?アイザック。』
『そんなの簡単だゼ、ミリア!もうちょっと待ってな!』
この二人も相変わらずである。スピーカーで拡張された二人の声が響く。
『何々?何があるのアイザック!』
『花火の打ち上げさ、ミリア。ジャグジーに頼んで置いたんだ!任せとけ。』
『ワー、楽しみだね、アイザック。』
『だろう。ミリア。ーーーーーさあ、カウントダウン始めるぜ!!』
『始めるゼ!!』
ーーーーーリン。
鈴の音色。
小さく、微かに鳴った。
「モモ、なんだか楽しそうだね?」
会場の上空、翼の生えている黒猫とその隣には、赤い靴を履いた“モモ”と呼ばれる少女が立っていた。
「だって、ダニエル。ここには、こんなに可笑しなーーーー、面白い人達が一緒になって運動会をするんだよ。」
「うん。今、モモ。さりげなく馬鹿にした言い方だったよね。」
「違うよ。私は、ただ単純に楽しいだけ。」
そういい終わると、二人は消えた。鈴の音色とともに。
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