電撃祭

プログラム

　－学校対抗電撃体育祭会場前－

　「ねえ、エルメス。さっきの旅人に言われて来てみたけど、ここであってるのかな？」
　「あってると思うよ。」
　校門の前。エルメスとよばれた１台のモトラド（注･二輪車。空を飛ばないものだけを指す）は、停まっていた。
　後輪脇に箱を取りつけ、上に旅荷物を載せたモトラドだった。だいぶ走って来たのかタイヤが擦り減り、ミラーや車体に汚れが目立つ。
　運転手は、ところどころが剥げた銀フレームのゴーグルを外し片手に持っている手紙へと目を落とした。
　学校対抗電撃体育祭会場参加状

　「それにしてもさ、キノ。あのおじいさん、ここで面白いことがある!!って言ってたけど何があるんだろう？危なくない？」
　モトラドは、さっき会ったおじさんに疑問を抱いていた。
　「まあ、良いんじゃない？殺られる前に殺やればいいだけだし。」
　そういい、いつもの事のように流しながらモトラドの話を聞いていた。

　ドン!!ドンッ!!

　会場の中から爆発音が響いてきた。
　「なんだろうね？キノ」
　「さあ･･････？」
　キノとエルメスが、ゆっくりと会場の中へ入っていった。