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-会場内廊下-
「なんで!?今日は私、非番だったのにこんな体育祭なんかに引っ張り出されるわけ!八代っち!!」
「そう言われても・・・。あきら君。文句は、伊達さんに言ってくれるかな~。」
ダークスーツを着て、ネクタイをきちんとしめているにもかかわらず、どことなく軽そうな雰囲気が漂う『八代っち』と呼ばれた男性。
「言える訳無いじゃん!!だから、八代っちに鬱憤晴らしてんでしょ!ところで、真治さんは?」
「今日は、監督役では無く。選手ですから。」
「は?」
答えにならない答えを返す八代に殴り掛かろうとする。ーーーー殴り掛かった。
「あら、仲がよろしい事ね運転手。」
「アリシアさん?」
一見地味ながらも、スーツとメガネでは隠し切れない芳醇な色香が否応なく人目を集めてしまう女性。アリシアが、ここに立っていた。
「何しに来たのよ!まさか、真治さんを!?」
「無愛想な挨拶ね、環。それに、ミスター伊達は私の好みじゃないって言わなかったかしら?」
と冷静に返すアリシアに歯止めが聞かなくなったあきらが突っ掛かろうとした瞬間。
ドン!!ドンッ!!
爆発音が施設ないを響いていた。
「何!?何があったの!?」
あきらが考えていると無線が入った。
『犯人とおぼしき集団を発見致しました。場所は、会場の点火室です。』
「わかった。今から行く!!ーーーーアリシア。あんたとの勝負お預けよ!命拾いしたわね。八代っち、私行くから。じゃっ!」
騒がしく去って行ったあきらの背中を見ながら、自分達も持ち場へと解散していった。
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