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1 夜空から今晩は
不景気、倒産、リストラ、そんな世知辛い社会の中、皆さんいかがお過ごしですか。
俺、幸浜喜男は不幸のどん底です。
俺は泣きそうな顔でマイホーム、家賃三万のボロアパートへの帰路を辿っていた。
新卒で入社が確定していた会社に資料を受け取りに行ったら、潰れていた。
社長が負債を抱えて夜逃げしたとかで、社員はてんてこ舞い。
入社前の俺の話なんて、取り合ってもらえなかった。
そんなわけで、俺は今立派な社会人のなり損ないです。
「ちくしょーバカヤロー!」
俺は夜の空に向かって叫んだ。
「もういっそ殺せよー、隕石でも落ちてこいこんちくしょー!」
そう叫んだ直後、本当に何かが落ちてきた。
「え・・・」
それが何か知覚する間もなく、俺はそれの下敷きになっていた。
「ちょ、バカ! お前何落ちてんだよ!」
「仕方ないだろ! いきなり下から大声出されてびくりしたんだから!」
「それぐらいで落ちんなよ! だからお前は半人前なんだ!」
「何だよ、お前だって半人前だろ!」
いきなり人の上に落ちてきたかと思えばそのまま二人で大喧嘩とは・・・。
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