2 夢オチのわけはなく

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「誰がおっさんだ! 俺はまだ23だぞ!」 「あー、20代ってそういうとこうるさいよな。えーと、幸浜さんだっけ」 「そ、そうだ」 「じゃあ改めて、今日から居候になります、三田十字です」 「ルドです」 「よろしくお願いします」  二人並んで礼儀正しく頭を下げる。 「あ、こちらこそよろしくお願いします」  なんて、二人のペースに巻き込まれてる場合じゃないぞ、俺! 「ど、どういうことだ、居候って!」 「俺たちも修業するため、どこか住む場所が欲しいんだよ。運んでやったんだからそれくらいいいじゃん。一宿一飯の恩義ってやつで」  いや、ちょっと待て。それは俺がお前をここに泊めた場合言う台詞だ。  っていうか、実際こいつらはここで一晩明かしたわけで・・・。  じゃあ、貸し借りなしじゃないか。 「お前らもう出て・・・」  言いかけた瞬間、俺の携帯が鳴った。  ディスプレイを見ると実家からだ。 「もしもし」 「あ、喜男?」  お袋からだった。 「あ、お袋。どうしたんだ?」 「あんた、就職決まったんだってねえ。おめでとう」  その話は・・・。 「あの、実は・・・」
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