2 夢オチのわけはなく

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「すごく有名な会社なんだろう? 父ちゃんも喜んで近所の人に自慢してるよ」 「あ・・・」  これじゃあ本当のことは、言えない・・・。 「とにかく、一回お祝いに二人でそっちに行くから。その会社にも案内しとくれよ」 「え?」  それは無理だ。もうあれは会社じゃない。ただのビルだ。 「あ、ちょっと俺会社のことで今すぐ出ないといけないから! その話はまた今度な」 「はいはい、もうすぐ会いに行くからね」  電話を切って、俺は途方に暮れた。  とにかく、無茶でも無理でも今すぐ就職先を探さねば!  俺はよく分からない二人を睨みつけた。 「俺は今すぐ出ないといけない。とにかく帰ってくるまではいてていいからおとなしくしてろ! いいな!」 「あいよ」 「はーい」  いまいち信用できない返事をする二人を部屋に残し、俺は町へ駆け出した。
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