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「すごく有名な会社なんだろう? 父ちゃんも喜んで近所の人に自慢してるよ」
「あ・・・」
これじゃあ本当のことは、言えない・・・。
「とにかく、一回お祝いに二人でそっちに行くから。その会社にも案内しとくれよ」
「え?」
それは無理だ。もうあれは会社じゃない。ただのビルだ。
「あ、ちょっと俺会社のことで今すぐ出ないといけないから! その話はまた今度な」
「はいはい、もうすぐ会いに行くからね」
電話を切って、俺は途方に暮れた。
とにかく、無茶でも無理でも今すぐ就職先を探さねば!
俺はよく分からない二人を睨みつけた。
「俺は今すぐ出ないといけない。とにかく帰ってくるまではいてていいからおとなしくしてろ! いいな!」
「あいよ」
「はーい」
いまいち信用できない返事をする二人を部屋に残し、俺は町へ駆け出した。
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