似て異なるモノ

2/3
前へ
/76ページ
次へ
似て『非』なるモノでした……漢字は難しいね   では 続きいきます。   1つ目の問題は、財布の隠しポケットに入れていた、大人折り紙でみなさんご存知の『ターバン野口』 千円札を器用に折り畳む事によって作られた その立たずまいはシュールを越え、もはやアートの域に達する。 そのターバン野口を俺は隠しポケットに所持――と言えば大袈裟だが人目に付かないようにコッソリ御守りとして持っていた。 そのターバン野口千円札は 何を隠そう別れた元彼女がくれた思い出の品なのだ。   本来ならば 触られる事すら、許したくない代物なのだが、国家権力には逆らえず、悔しくも触られてしまった。   それだけならば まだ我慢ができるのだが、細かく折られた千円札を開くぞと言うではないか   ドラクエ風に言わせてもらえば 『それを 開くなんてトンデモない!』 である。   俺は『ダメ! ダメです!それは勘弁してください!』 と懇願した。 看守さん三人は顔を見合わせ首を捻った後 『 何? シャブでも入ってんの?』 とニヤニヤしながら聞いてきた オメーラ 目が笑ってネーヨと言いたかったが、そこは堪えて思い出の品なんです と正直に言った。   開くなと言われても中に…うーん…と三人の看守と俺はどうしたモノかと知恵を絞った。   良いことを思い付いた俺はオーバーリアクションで『鑑識に回してみては』と提案した ………が、『あのねえ…』と苦笑いされてスルーされたのを今でも夢に見る。 そして枕を悔し涙で濡らしたあと一杯のドンブリ飯を食って再び眠りにつくのだ。 だから最近 また太りはじめたのだ 国家の陰謀ではないかと俺は思う。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加