二人暮らし

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『癖がある』 そんな事をすっかり忘れお互いの罪状、塀の外での暮らし、友達の話などを寝ている時間以外たくさん話した。 ここでの暮らしにも少しだけ慣れてきた頃、菊地くんは俺にカラオケとか行くのと聞いてきた。 『あー 好きだねえ 結構行ってたなあ 菊地くんは』 聞かれれば当然 質問をしかえす。 これが会話のキャッチボール 基本中の基本だ 『俺も結構行くよ モノマネとかしちゃうからね』 以外だった。 うつ病のくせに……くせに とは言い方が悪いが、俺と話している限りは時たま怪しい雰囲気はあるが、普通に生活をしていくのには支障がない程度に思えたからだ。   俺はあえて一歩踏み込んでみた 『うつ病のくせに モノマネって』 オイオイとのジェスチャーつきでだ。   『そう うつ病のくせに』  一瞬の間を置いて二人で笑った 俺は賭けにかったような気になった。 ところが………ここから地獄が始まった。
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