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「…。」
目が覚めたらあたりは一面の骸骨だった。
身体に違和感は無い。
服装も『あの時』と変わらない。
アンカーも銃火器の類いも試し撃ちしたけど支障は無かった。
空は黄昏時の様に紅い。
至る所で阿鼻叫喚が聞こえる。
目の前には大きな河川。
「…三途の川…
実在したのね。」
…本当に地獄に墜ちたらしい。
声は聞こえるけど人気が皆無。
三途の川と思われる川沿いを散策する。
不思議と疲れは無い。
むしろ居心地が良かった。
そして見つけた桟橋。
でも船も渡し守も居ない。
「安駄婆も居ないの…?
…ん…?」
急に―文字通り『湧出る』人の気配。
危険を感じてバックステップをすると、地面に散乱する骸骨の合間から幾本もの手が伸びて来た。
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